相撲に勝って喜ぶのは相手に失礼?

相撲に勝って喜ぶのは相手に失礼?アイキャッチ 相撲コラム

スコゲワブロガーのペパーミントあいです。

長年相撲を観ていて、
ずっと疑問に思っていることがあります。

勝って喜ぶことは
「相手に対して失礼」なこと
なのでしょうか?

最近でこそ殊勲インタビューに
笑顔で答えてくれる力士さんも多いですが、

まだ昭和の力士のごとく
無愛想な力士さんもいます。

それが対戦相手への礼儀だという考え方が、
私にはいまだに分かりません。

礼儀って誰のためのものだろう?
著書「なぜか好かれる人のちょうどいい礼儀」上

勝って喜ぶことは相手に失礼?

最近のお相撲さんは、
インタビューに笑顔で答えてくれることも
多いです。

でもまだ一部、
昔のお相撲さんみたいに
答えてくれない人もいます。

その理由を、
多くの力士さんや親方衆は
こう語ります。

「勝って喜ぶのは相手に失礼だから」と。

これ、前々からずっと疑問なんですよね。

私はかれこれ20年近く
相撲を観続けていますが、
実は20年間ずっと疑問に思っていました。

勝って喜ぶのって、
相手に失礼なんですか?

「抑制の美」は理解できる

大相撲には「抑制の美」というものが
あります。

それは分かるんです。

取組を終え、
強い人に勝った時、
本当は嬉しくてガッツポーズをしたくても
我慢して何事もなかったように
礼をして去っていく。

この姿は美しいです。
嘘偽りなく美しいと思います。

勝って驕らず、

負けて腐らず、

ただやるべきことをやる。

変わらずに邁進する。

そんな姿勢を感じて美しいと感じます。

でもそれと、インタビューに答えない、
というのは、違うと思うんですよね。

気まずい空気感が辛い

なぜ私がインタビューに答えない
お相撲さんにモヤモヤするかというと、

まず第一に、

「気まずい空気感に耐えられないから」

です。

実生活の人間関係でも、
会話が続かないと気まずくなりますよね。

その時の気まずい空気感を思い出して、
いたたまれない気持ちになるのです。

アナウンサーさんが
気の毒になってしまうのです。

こう思ってしまうのは、
私がテレビの向こうの人に
感情移入しやすく、

自分がアナウンサーさんに
なったような気になるからかもしれません。

とにかく会話の弾まない
気まずい空気感に耐えられなくて、
「頼むから喋ってくれよぉ」
と思ってしまうのです。。。

そして

「無愛想にインタビュー受けるくらいなら

インタビュールームに来ないでくれ」

とさえ思ってしまうのです。。。

むしろ「相手を立てること」では?

そもそも「勝って喜ぶこと」って、
相手に対して失礼なことなのでしょうか?

むしろ逆だと思います。

勝って嬉しいのは、

「相手を強い力士と認めているから」

ではないですか?

全然強くない人に勝ったって、
全然嬉しくないですよね。

「あんなに強い人に勝てて嬉しい」

と口にすることって、
相手に対して失礼なことですか?

むしろ

「私ごときが勝つなんてまぐれです」

と答える方が失礼だと思います。

相手のことを

「弱い相手にミスして負けるような奴」

と言っているようなものではありませんか?

「一生懸命努力して努力して頑張ったから
凄く強いあの力士に勝てました」

このようにインタビューに答えることって
相手に対して失礼ですかね?

「あの横綱は大したことなかったですよ」
とか言えば、それは失礼ですが、

「あの強い横綱に勝てて嬉しいです」
と答えることは、

対戦相手のことも自分のことも、
自分を育ててくれた師匠や
応援してくれたファンの人や
自分を祝福してインタビューしてくれている
インタビューアーさんも立てる
模範解答であると思うのですが……

失礼なことなのでしょうか?

20年相撲を観続けたくらいでは分からない美学

こう思ってしまうのは、
私がまだまだ勉強不足で
相撲の美学を理解出来ていないから
かもしれません。

笑顔でインタビューに答える力士さんが
多いなか、

時代の流れに逆らって
昔の力士像を貫こうとする力士さんには、

きっとそれ相応の美学と
こだわりがあるのだと思います。

でも私には、
勝って嬉しいと口にすることが
相手に対して失礼であるという価値観が
全く分からないのです。

インタビューに答えること
=相手に対して失礼なこと、
という考えが、

20年相撲を観続けたくらいでは
全く分からないのです。

むしろ賛辞を否定することの方が、

相手(対戦相手もインタビューアーも)に

対して失礼なことだと思うのですが……

あくまでも私はこう思う

以上、
私が相撲を観ていて長年思っていた疑問、

「勝って喜ぶことは
相手に対して失礼なのか?」

ということについて
思っていることを書かせていただきました。

いかがでしたでしょうか?

抑制の美の美しさは理解できるのですが、
インタビューで「勝ててうれしい」と
素直に口にすることは、相手に対して
全然失礼ではないと思うのです。

よほど相手をディスったりしない限り、
むしろ「相手を強い力士」と立てること
なると私は思います。

「勝って驕らず」という
自分への戒めとして
喜びすぎないようにするのは
いいことだと思いますが、

賛辞は素直に受け取ることが
むしろ相手を立てることになると
思うんですよねぇ。。。

色々な考え方があると思います。

ただ私はこう思うよ、
というお話です。

ペパーミントあいがお届けいたしました。

礼儀って誰のためのものだろう?
著書「なぜか好かれる人のちょうどいい礼儀」下