フィギュアスケートの採点表の見方

01.フィギュアスケートの採点表の見方アイキャッチ フィギュアスケート

相撲と紅茶とゲームが大好きだけど、
フィギュアスケートも大好きな
ペパーミントあいです。

フィギュアスケートの採点表の見方を、
初心者の方にも分かりやすいよう
図解で解説してみました。

採点表の見方が分かれば、
なぜその点数になったのか、
一目で理解できるようになりますよ^0^

採点表は国際大会なら
ISU(国際スケート連盟)の公式サイト、
国内大会なら日本スケート連盟のサイトで
見ることができます。

採点表の大まかな見方

以下、宮原知子選手の
全日本フィギュア2018の
FSの採点表を例に解説していきます。

02.宮原知子の採点表

フィギュアスケートの採点は、
このようにして開示されています。

日本スケート連盟のサイトに行けば、
全選手の採点表を見ることができます。

これを実際の演技映像と照らし合わせて
見てみると、とても勉強になります!

さて、その採点表の見方ですが、
大まかに分けるとこんな感じです。

03.採点表の見方

大きく分けると技術要素の技術点、
スケーターの基礎力である演技構成点、
減点の3つの合計から成り立っています。

技術点・演技構成点について

技術点はジャンプやスピンなど
技術要素による得点、

演技構成点は、
旧採点方式でいうところの芸術点に
相当するものとよく言われますが、

スケーティングが滑らかかどうか、
所作が美しいかどうか、
音楽を表現できているかどうか、
技と技のつなぎはしっかりしているかなどが

10点満点からの減点方式で
評価されています。

いわばスケーターの基礎力と
言える部分です。

トップの選手と下位の選手の
演技構成点を見比べてみると、
これが全然違うことが分かります。

減点(ディダクション)について

減点は転倒、時間オーバー、
衣装の一部が落下した時
などにされる
減点です。

ジャンプで転倒した場合、
そのジャンプの技術点もマイナス評価に
なりますが、
転倒による減点も加えられます。

現在のルールでは、
転倒による減点は2回目までは-1、
3回目以降は-2となります。

よって3回転倒した場合、

1回目:-1
2回目:-1
3回目:-2

となり、合計4点のマイナスとなります。

技術点の見方

技術点の見方は以下の通りです。

04.技術点の見方

各エレメンツの名前

3Sはトリプルサルコウ、

3Lz-3Tは
トリプルルッツ+トリプルトーループの
コンビネーションジャンプ、

CCoSp4は
チェンジフットコンビネーションスピンの
レベル4を表します。

頭の数字はジャンプの回転数、
末尾の数字はスピンやステップのレベルです。

ジャンプやスピンの名称は、
フィギュアスケート中継を観ていれば
何となく頭に入ってくるかと思います。

回転不足について

「>」は回転不足を表します。

回転不足は2種類あり、

>:UR(アンダーローテーション)。
1/4回転が足りない。

>>:DG(ダウングレード)。
1/2回転が足りない。

となります。

DGの場合、
素人目にもはっきり分かるほど
回転が足りていない場合が多いです。

URのジャンプは、
ちょっと私には分かりません(;^_^A

「!」と「e」

今回の宮原知子選手の採点表には
ありませんが、

F(フリップ)とLz(ルッツ)ジャンプに
「!」や「e」という文字がついている
ことがあります。

「!」は「アテンション」、
「e」は「エッジエラー」。

ともにエッジの踏切が誤っていることを
示しています。

フリップは内側、
ルッツは外側にエッジを傾けて
跳ばないといけないのですが、
これが逆になってしまっている
ということです。

「!」は軽いエッジエラーで、
エッジがフラットであった場合。

「e」ははっきりとした
エッジエラーである場合
につきます。

「!」はマイナス項目ですが、
そのジャンプに他にプラスの要素が
多ければ相殺されて、
GOEがプラスになる場合もあります。

「e」は基礎点が7割に下がり、
さらにGOEも減点評価となります。

基礎点について

あらかじめ決まっている
各要素の基礎点です。

フリーで後半に跳んだジャンプの
ラスト3本は、基礎点が1.1倍になります。

回転不足だったジャンプ、
エッジエラーとなったジャンプは、
基礎点が下がります。

基礎点が下がったうえ、
GOEもマイナス評価になるので、
回転不足やエッジエラーによる痛手は
非常に大きいです。。。

GOE(出来栄え点)について

各ジャンプやスピンに対し、
ジャッジはその出来栄えを
+5~-5で評価します。

GOEはこの+5~-5がそのまま
加算されるのではなく、

このエレメンツで+5だったら+何点、
という風に、各要素によって
加点もしくは減点される点数が
決まっています。

イナバウアーが点数にならない理由

よく荒川静香さんのイナバウアーが
「点数にならない」と言われますが、

その理由は、
この技術点のエレメンツの項目に
「イナバウアー」がないから
なんですねぇ。

でも、技術点の項目には入らなくても、
下に説明する演技構成点の項目では
評価されています^^

演技構成点の見方

演技構成点の見方は以下の通りです。

05.演技構成点の見方

5コンポーネンツについて

演技構成点で評価される項目は
以下の5つです。

5つあるので
「ファイブコンポーネンツ」
とも呼ばれています。

略称 項目名 評価内容
SS スケート技術
Skating Skills
スケーティングの質やスピード、エッジを正確にコントロール出来ているかなど。
TR 要素のつなぎ
transithins
技と技の繋ぎの振り付け、要素に入る前の動作に工夫があるかなど。
PE 演技
Performance
音楽に合った振り付け、スピードの変化で表現しているかなど。
CO 構成
Composition
調和のとれたプログラム構成になっているか。
IN 曲の解釈
Interpretation of the Music
音楽を理解し、曲にあった身のこなし、感情を表しているかなど。

参考にさせていただきました。
http://figureskating.tororinnao.info/rule-score-program-component-score-scoring-system/

こうしてみるとPEとINの違いが
いまいちよく分からないのですが……

PEは単純にメロディに合った動き、
INはより深い芸術的な解釈、
といったところなのでしょうかね?

ちょっと5コンポーネンツについては
難しくて未だよく分からないのですが、

こういう部分が評価の対象になっている、
ということが分かれば十分かと思います^^

私たちはただ鑑賞する人であって、
ジャッジではないので;;

係数について

5コンポーネンツは
各ジャッジが10点満点の
減点方式で採点します。

でも、この平均がそのまま点数に
なるわけではありません。

対象となるジャッジの平均に
係数(Factor)の1.6をかけた点数が、
実際に選手が得られる点数となります。

係数は男女のシングル、ペア、
アイスダンス、SPかFSかによって
異なります。

女子FSの係数は1.6ですが、
男子FSの係数は2。

女子より男子の点数が全体に高いのは、
男子には4回転ジャンプがあるから
だけでなく、

この演技構成点にかかる
係数の違いでもあるんですねぇ。。。

一番高い点数と低い点数はカット

なお、技術点、演技構成点ともに、
全てのジャッジの点数が反映される
わけではありません。

最初に抽選で2人のジャッジがカット。

次に残ったジャッジのうち、
一番高い点数と低い点数が
カットされます。

身内びいきで自国の選手に
最も高い点数をつける、
といったことを防ぐためと思われます。

点数の理由が一目で分かる採点表

以上、フィギュアスケートの
採点表の見方を解説してみました。

いかがでしたでしょうか?

何でその点数になったのか、
一目で分かっていいですよね!

ちょっとわたしも未だ
理解しきれていない部分はあるのですが、

最低限これくらのことは分かれば、
十分楽しんで鑑賞出来るのではと思います。

本当にフィギュアスケートのことを
知りたければ、

実際の演技の映像と採点表を
照らし合わせながら見ると
とても勉強になりますよ^0^

回転不足がいかに大きなマイナスで
あるかも、採点表を見るとよく分かります。

フィギュアスケート鑑賞の際には、
採点表もぜひ見てみて下さいね!

ペパーミントあいがお届けいたしました。