「大相撲暴力根絶への取組み」内容

01.「大相撲暴力根絶への取組み」内容 相撲関連番組・映画

スコゲワブロガーのペパーミントあいです。

2018年12月4日に放送された
NHKの「くらし解説」という番組で、

刈谷解説員が
「大相撲会 暴力根絶の取り組み」
について解説してくれました。

非常に明確で分かりやすい内容でした。

内容をシェアしたいと思います。

調査の概要

この番組は、
暴力問題再発防止検討委員会の
大規模なアンケート調査によるデータ
を元に
進められました。

暴力問題再発防止検討委員会は、
日馬富士の暴力事件後に設立された、
相撲協会外部の有識者による組織です。

聞き取り調査の対象と方法

アンケート調査の対象は、
現在の相撲協会員900人全員と、
過去10年間に去った元協会員。

最近のことだけでなく、
過去に遡った記憶まで詳細に
聞き取りました。

3つの折れ線グラフ

まず紹介されたのが、
こんな3つの折れ線グラフです。

力士暴力死前後の暴力に関するデータ

折れ線グラフの内容は、

  • 暴力を受けた人の割合
  • 暴力を振るったと自覚している人の割合
  • 暴力を見聞きした人の割合

の3種類。

期間は昭和53年から平成30年までと、
実に30年以上に渡っています。

昔はそれこそ40%近い人が
暴力を受けていたけれど、
年々減少傾向にあることは分かります。

特に平成19年の
力士暴行死事件以降
下がっていることが分かります。

ただ現在の数字を見ると、
青と緑は8%を超えているのに対して
やられた赤の人は5.2%。

記憶の行き違いなどもあるでしょうが、
やられた方は怖がって本当のことを
アンケートに書けなかったことも伺えます。

長年大相撲の現場を取材してきた
刈谷解説員もこの数字に対し
「少ない印象を受ける」と話していました。

実際の数字はもう少し高いものと思って
いいかもしれませんね。

昔は暴力による指導が許容されていた

暴力による指導が許容された時代があった!

この数字の推移の理由には、
「昔は暴力による指導が
有効な手段として許容されていた」

ことが言えるかと思います。

刈谷解説員もそう話していましたが、
わたしもそう思います。

「無意味な暴力はダメだけど
愛情をもって叱る体罰はいいんだ」

と、わたしの父も昔、
話していましたからねm(__)m

幸い、父は自分が殴られるのが嫌だったから
自分の子供を殴ったりはしなかったけど、
暴力による指導そのものを
否定はしていませんでした。。。

(今も生きていたら
考えは変わっていたかもしれませんが…)

まあ、
わたしの父のことはどうでもいいですね。

何が言いたいのかというと、
現在アラフォーのわたしの父
(運動部ではなかった)の世代ですら
こんな価値観なのだから、

体育会系、それも戦う競技の相撲の世界
ともなれば、その傾向はもっと強いだろうな

ということです。

それが時代が進み、
暴力による指導の弊害が分かってきました。

それが指摘されるようになると、
世の中の多くの人はその通りだと
思うようになりました。

それは上記のデータにも反映されています。

それでもやっぱり、
戦う競技で相手を傷めつけることへの
抵抗がふつうの人より低いゆえか、

一般の人よりはその意識が薄いのかな、
と感じる部分はあります。

5.2%って数字だけ聞けば
少ないように感じるけど、
力士の総数が700人と考えたら、
決して少ない数字とは言えないです。

暴力の現場に第三者はいたのか?

暴力の現場には第三者がいたのか?

一方でこんな興味深いデータも
紹介されていました!

それは「暴力の現場に第三者はいたのか?」
というもの。

なんと87.6%の人が、
現場に第三者がいたと答えているんです!

つまり、見つからないように
陰で隠れて行われていたわけでは
ないのです!

でも「制止した」と答えた人は10.8%、
「制止された」と答えた人は11.5%、
「報告した」と答えた人はわずか6.9%。

暴力の現場に居合わせた第三者の多くが
それを見過ごしていたことが分かります。

見過ごすということは、
容認していたということですよね。

これに対し刈谷解説員は、

「暴力=指導手段という
共通認識が定着していた」

と指摘します。

暴力があった場所

ところで、
貴ノ岩が日馬富士に暴力を振るわれたのも、
付け人に暴力を振るったのも巡業先でした。

でも暴力再発委の調査によると、
巡業先での暴力は全体の割合では
少ないことが分かります。

暴力のあった場所

暴力の多くは相撲部屋、
特に稽古場以外の生活の場で
起こっている
ことが分かります。

生活の中での「指導」として
行なわれていることがうかがえますね。

稽古場の29.5%も決して少なくは
ないと思いますが、
それでも生活の場よりは少ないのは、

「相撲の世界では
やる気のない奴に無理して稽古を
させる必要はない」

という考えがあるからだと、
刈谷解説員は話していました。

年次別の暴力のデータ

一方でこちらは年次別の暴力のデータです。

年次別の暴力のデータ

以前ニュース記事でも
紹介されていましたが、

3年目までは暴力を受けた割合が多く、
4年目以降は振るったと答えている人が
多いことが分かります。

そして暴力を振るった人の84.9%は、
「自身も暴力を受けた」と答えています。

入門から3年間は殴られて指導され、
4年目になって自分が指導する側になると
後輩に同じことをする。

そんな負の連鎖が続いていることが
分かります。

理不尽な暴力

一方で理不尽な暴力を受けた人・
振るった人のデータでは、
興味深いものがありました。

理不尽な暴力に関するデータ

まあある意味当たり前といえば
当たり前なのですが、

殴られた方は理不尽な暴力を受けたと
思っているけれど、
殴った方はその自覚がないんですよね。

最初の3つの折れ線グラフでは
そこまで数字が乖離していなかったけれど、

ここに「理不尽な」がつくと
これほど大きく乖離するとは!
という感じです。

結局のところ、
振るった側は「指導」のつもりで
殴っているけれど、

本当はイライラしたから
殴っただけなのでは?
と思わざるを得ません。

暴力が少ない部屋の傾向

一方で暴力が少ない部屋では、
こんな傾向があるようです。

暴力が少ない部屋の傾向

暴力が少ない部屋では、
親方がよく力士と
コミュニケーションを取っています。

力士同士のコミュニケーションも
円滑とのこと。

仮に理不尽な暴力による指導が
行なわれても、
親方がすぐに気が付いて対応できる

みたいですね。

また、力士としての目標を明確に掲げ、
モチベーションを上げている部屋

暴力は少ないそうです。

考えてみれば納得です。

人間目標に向かって
前向きに進んでいる時は、
つまらないことでイライラしたり
しませんからね。

ただいずれの場合も、
指導者たる親方の裁量が
優れていることがうかがえます。

暴力をなくすにはどうすればいいのか?

どうすればいいのか?

そして最後には、
暴力をなくすためにはどうすればいいのか?
ということが語られました。

刈谷解説員は

「厳しい指導と暴力の境界線を
明確にする必要がある」

と話します。

境界線をはっきりさせたうえで、
以下のことを行うべきと結論付けられました。

意識改革

まずは、何度も言われていることですが
「意識改革」です。

具体的な意識改革の手段としては、

  • 師匠・親方の資格・研修
  • 暴力禁止規定の明確化

といったところでしょうか?

そしてその意識を
協会員全体で共有する必要があることは
言うまでもありません。

努力と検証の継続

そしてつい意識改革にばかり
目が行ってしまいがちですが、
それ以上に大事なのは、

「ここからは暴力だから絶対ダメ」
と決めたことを、努力して守り続けないと
いけません。

そして、
検証も続けていかないといけません。

意外と落とし穴なのが、
この「検証」の部分だと思います。

刈谷さんも繰り返し
「検証」の大切さを訴えていましたが、

「はたして自分たちで決めたルールを
ちゃんと守れているだろうか?」

「改めるべきことはあるだろうか?」

ということを、
定期的に繰り返していくことが
何より大切だと思います。

この「検証」が出来るかどうかが、
その後の大きな分かれ道になってきます。

相撲で出来たことなら出来るはず

でも、今親方となっている人たちは
現役時代、それが出来たから出世して
親方になれた人ばかりです。

相撲でそれが出来たのだから、
暴力問題に対しても出来るものであると
わたしは信じています。

最低限ここだけは見て!

以上、刈谷解説員の
「大相撲界 暴力根絶への取り組み」の
内容をシェアさせていただきました。

ちょいちょい私見も交えていったので
少し長くなりましたが、
いかがでしたでしょうか?

スクショの部分と
小見出しだけ追っていけば、
最低限必要な内容は分かる
かと思います。

わたしの私見は、
特に気になった箇所だけ
読んでいただければいいです(笑)

最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。

ペパーミントあいがお届けいたしました。