相撲と紅茶とゲームが大好きな
ペパーミントあいです。
私にとって映画
「相撲道~サムライを継ぐ者~」は、
力士・豪栄道の魅力を再発見する
ドキュメンタリー映画でした。
「相撲道」自体が主役の映画なのですが、
登場した力士さん個人の魅力も
とても伝わる映画でした。
その感想を書きたいと思います。
※多少のネタバレあります。
主役は各力士ではなく「相撲道」
映画「相撲道~サムライを継ぐ者~」は、
境川部屋と高田川部屋に密着した
相撲のドキュメンタリー映画です。
一昨年(2018年)九州場所から
去年(2019年)の夏場所までの半年間を
取材したようです。
まずは「力士とは?」という
そもそもの力士の起源の話から始まり、
そこから境川部屋パート、
高田川部屋パートに移行。
そして最後には再び
「力士とは?」「相撲道とは?」
という話に戻ります。
あくまでもこの映画の主役は
「相撲道」であって、
個人個人の力士さんや
相撲部屋ではないんだなと思いました。
力士さん個人や相撲部屋に
スポットライトを当てた
相撲ドキュメンタリーは
これまでたくさん観てきましたが、
「相撲道」そのものが主役の
ドキュメンタリーは初めてだったので、
非常に新鮮な感動でした。
とにかく「音」が凄かった!
相撲を取っている時の音が凄い
私がこの「相撲道」の映画を見て
真っ先に感動したのは、
「音」の臨場感でした!
立合いで力士同士がぶつかり合う音、
相撲を取っている時の息遣い。
とにかく相撲を取っている時の
音がリアルでした!
多分、実際に生で観ても
ボケーっと見ていたら
聞き逃してしまう音を、
しっかりと、
聞き逃さないように拾って
再現してくれています!
普段生で相撲を観ることが
多い相撲ファンでも
納得の臨場感なんじゃないでしょうか?
(私はそんなに生で相撲を観る
相撲ファンではないですが……)
ちゃんこを作る音も凄い
そして凄いのは
相撲の音だけではありません。
相撲道の映画には
高田川部屋のちゃんこ長の
櫻さんがちゃんこを作っている
シーンも出てくるのですが、
櫻さんが野菜を切る音、
肉をこねる音、
ハンバーグを揚げる音、
鍋を煮る音、
これらちゃんこを作る時の音も
とにかくリアルです!
ちゃんこを作るシーンは
高田川部屋のパートのみ。
高田川親方は
「弟子においしいものを
食べさせてあげたい」
というこだわりがある方なので、
ちゃんこのシーンでは櫻さんが、
親方からこういうことを言われているので
ちゃんこ作りではこのように
心掛けています、
という話をしていました。
櫻さんがちゃんこを作るシーンも
凄くカッコよく編集されていました!
ちゃんこ作りも相撲道の一環なんだなと
思いました^^
輝が佐田の海の額を割った瞬間がリアル!
そんなわけで
音響が素晴らしかった
相撲道の映画ですが、
カメラアングルも当然ながら
凄かったです!
ふだん観ている本場所の相撲が
凄く臨場感溢れて伝わったのは、
単に映画館の大スクリーンで
観ているから、というだけではないはず。
臨場感溢れる音に加えて、
臨場感溢れるカメラアングルで
あったからだと思っています。
特に輝が佐田の海の額を割る瞬間が
非常にリアルでした><
(確かこの場所、
輝は毎日のように対戦相手の
額を割っていた気がします……)
加えて輝関の
「ぐにゃっと潰れる感触があった」
という発言!
この額割りのシーンは
境川部屋パート、高田川部屋パート
両方で使われ、
佐田の海側のコメント、
輝側のコメント両方を
聞くことが出来ます。
先に佐田の海側のコメントを聞くと、
額が割れるって実は意外と
大したことないのでは?
という錯覚に陥りかけますが、
輝側のコメントを聞くと、
こえぇぇぇぇ、となりますね><
対照的な境川親方と高田川親方
そして境川部屋と高田川部屋。
どちらも厳しい稽古で有名な部屋で、
共通点も多いと感じますが、
境川親方と高田川親方は
非常に対照的な親方でした。
境川親方はThe 昭和親父という感じの
親方ですが、
高田川親方は平成の親方というか、
今風の革新的な親方という印象を
受けました。
高田川親方はインタビューに
積極的に応えて、
自身の指導方針なり美学についても
よく語ってくれていましたが、
境川親方は映りこむ程度で
インタビューには一切応えていません。
聞いたところによると
「主役は力士なんだから」という理由で
自分の話はいいと断ったようですね。
暴力脱却に向けた親方の試行錯誤
高田川親方のインタビューでは、
親方の指導に対する試行錯誤も
伺えました。
「暴力による指導」をなくすための
試行錯誤です。
以前はひたすらどやしつけるような
指導をしていたという高田川親方ですが、
「今それをやるとパワハラになるから」
ということで、
今は一方的にどやしつけるのはやめて
こんな光がある」
という出口が見える指導に
切り替えているとのこと。
親方がこの指導を確立させるまでには
だいぶ高田川部屋全体が
伸び悩んだようですが、
「ただ『お前だめだな、根性出せ!』
って言われたって出ないでしょ」
と親方自身が語っていたところに、
とても希望を感じました。
親方自身も光を見つけたのだな、と。
この親方の試行錯誤のシーンは、
相撲を知らない一般の人に
ぜひ見てほしいですね。
暴力根絶への取組も
さらっと紹介されているところが
いいなと思いました。
高田川親方の指導法については、
別途ピックアップした記事を
書きました。
ぜひあわせてご覧下さい^^
境川親方の気持ちがリアルに分かった
そしてこの相撲道の映画を見て、
私には境川親方の気持ちが
非常によく分かりました。
かつて境川親方は
NHK大相撲中継の解説で、
「豪栄道は全く痛がりませんでしたね。
神経がないんじゃないかと思いましたよ」
と話していましたが、
豪栄道が自身の痛みを
全く見せない男であることは、
映画を見てとてもよく伝わってきました。
豪栄道は痛いところを見せない
人であることは、
相撲ファンなら誰もが情報として
知っていることと思います。
でも相撲道の映画を見ると、
この人は本当に痛いところを見せない
人なんだなということが
非常にリアルに伝わりました。
情報としてしか知らなかったことが、
しっかりと、
私にとっての真実になりました。
実は裏で痛がっていた映像が
使われていたわけでは
断じてありません。
見ていて
「この人、本当に神経がないのでは?」
と、私も思いましたから(笑)
境川親方のあの言葉は、
ウケを狙った誇張ではなく
本物でした!
豪栄道の魅力を再発見した映画
以上、映画「相撲道~サムライを継ぐ者~」
の感想を語らせていただきました。
特に印象に残った事象に絞って
ピックアップさせていただきましたが、
いかがでしたでしょうか?
非常に見応えのある映画だったので、
相撲ファンにも相撲ファンじゃない人にも
ぜひ観ていただきたい映画です。
ただ個人的には
「相撲道」自体が主役のドキュメンタリーは
非常に貴重なので、
どちらかと言うと相撲ファンに
観てほしい映画かなと思います。
「相撲」自体の魅力が
とてもよく伝わる映画でありながら、
親方や力士さん個人個人の魅力も
再発見することが出来ました。
特に豪栄道ですね!
映画「相撲道~サムライを継ぐ者~」は、
私にとっては豪栄道の魅力を再発見した
映画でした^^
以上、
ペパーミントあいがお届けいたしました。
元豪栄道の関連記事
元豪栄道の武隈親方については、
こんな記事も書いています。
武隈親方の名解説が光った記事です!
ぜひあわせてご覧くださいませ^^