2020年大相撲七月場所千秋楽の手さばき帳

相撲と紅茶とゲームが大好きな
ペパーミントあいです。

2020(令和2)年七月場所千秋楽の
手さばき帳を公開いたします。

この手さばき帳ブログを通して、
より深く相撲を楽しむことが
出来ますように。

2020年七月場所千秋楽の実況と解説

実況:三瓶宏志
解説:北の富士勝昭
向正面:舞の海秀平
東リポート:厚井大樹
西リポート:沢田石和樹

2020年七月場所千秋楽 幕内前半の手さばき帳

※特に良かった相撲・
個人的に注目していた相撲は
ピンクのボックスで表示。

●逸ノ城(十両)(9-6)-(5-10)松鳳山○

押し出し

松鳳山が攻め込み、逸ノ城がはたき、

軍配迷った末に松鳳山で物言いはなし。

土俵際もつれたように見えたが、

スローでは逸ノ城の足が先に出ていた。

逸ノ城、勝てば十両の優勝決定戦だったが、

進出ならず。

○佐田の海(9-7)-(6-9)錦木●

寄り切り

佐田の海がぐいぐい前に出て寄り切り!

佐田の海は双差し。

錦木は抱え込むような動きだったが、

あれよという間に寄り切られてしまった。

●琴勝峰(8-7)-(10-5)栃ノ心○

はたき込み

栃ノ心が琴勝峰を圧倒!

栃ノ心が強かった。

○魁聖(6-9)-(5-10)志摩ノ海●

突き出し

魁聖がよく見て前に出て突き出し。

ちょっとどちらも元気なさそうだ。

●石浦(4-11)-(10-5)若隆景○

押し出し

若隆景が石浦を瞬殺!速かった!

石浦は取組中に痛めただろうか?

下がる時、痛そうだった。

●照強(9-6)-(10-5)琴恵光○

はたき込み

琴恵光、照強の足取りに対応。

照強は琴恵光の踏み込む足を

読み間違えたか。

●琴ノ若(4-6-5)-(7-8)竜電○

寄り切り

膝の悪い琴ノ若、

何も出来ずに下がってしまう。

やはりまだ出場は早すぎたのではと

思う相撲。

北の富士さんも同意見のようだ。

●琴奨菊(8-7)-(9-6)北勝富士○

はたき込み

北勝富士が当たってからのはたき込み。

北の富士さんがぶつぶつ言いそうな

相撲と思ったけど、

案の定ぶつぶつ言っていた。

○千代大龍(6-9)-(5-10)碧山●

突き落とし

千代大龍が当たって交わしての突き落とし。

うーん、あっさり。

●輝(5-10)-(3-12)勢○

下手投げ

輝が右の下手、左の上手も取って

万全の体勢に見えたが、

勢が土俵際で逆転!

うーん、やはり四相撲の力士では

ないのだろうか?

>

2020年七月場所千秋楽 幕内後半の手さばき帳

●宝富士(5-10)-(6-9)霧馬山○

上手捻り

>

先に宝富士が左四つに組み止めるが、

霧馬山、右を締めて前廻しいい位置を引き、

形勢逆転!そこからの上手捻り!

今場所は負け越しはしたものの、

非常に楽しみな力士だ^o^

●千代丸(4-11)-(2-13)阿武咲○

下手投げ

千代丸、今日も右四つに組みにくる。

阿武咲、土俵際交わしての下手投げ!

上手かった!

今日も大きな拍手!

13連敗したけど、

最後は連勝で終わった^o^

●隆の勝(8-7)-(10-5)高安○

引き落とし

高安、あまり調子良くなさそうに見えたが、

気がついたら10勝目!

隆の勝に実力差を見せつけるような

相撲だった。強かった!

●炎鵬(5-10)-(5-10)豊山○

押し倒し

炎鵬突っかける。2度目で成立。

熱戦だったが、終始豊山が

圧倒していたように見える。

舞の海さん解説では、

「炎鵬は今場所、

グシャッと倒れることが多く、

体幹の弱さを感じた。」

「豊山も全力ではなく、

7分8分くらいの力で突っ張っているから、

炎鵬は相手の力を利用することが出来ない」

とのこと。

うーん、小兵力士の解説は

非常に的確で為になる!

○遠藤(8-7)-(7-8)徳勝龍●

寄り切り

遠藤が双差しになって一気に寄り切り!

上手かった。

遠藤、千秋楽に勝ち越し!

遠藤、対徳勝龍戦は9戦全勝。

○玉鷲(10-5)-(9-6)隠岐の海●

上手投げ

隠岐の海、玉鷲の押しを組み止めたが、

攻め切れなかった。

玉鷲の小手投げに崩され、9-6。

三役揃って二桁は叶わず。

玉鷲は脇腹を押さえていた。

投げたときに左の脇腹を傷めたとのこと。

○大栄翔(11-4)-(10-5)妙義龍●

引き落とし

大栄翔、突っかける。2度目で成立。

大栄翔が当たってからの引き落とし。

大栄翔は勝って殊勲賞を受賞。

○照ノ富士(13-2)-(11-4)御嶽海●

寄り切り

照ノ富士が一気に寄り切り!

強かった!一発で優勝を決めた!

取口が云々より、気持ちの強さを感じた。

照ノ富士、復活優勝、おめでとう^o^

●正代(11-4)-(12-3)朝乃山○

押し出し

最後は朝乃山が締めた。

正代は終始朝乃山に上手を与えなかったが、

朝乃山が圧力でどんどん前に出ていた。

強かった!

2020年七月場所千秋楽の敢闘精神あふれる力士

幕内

1位:照ノ富士
2位:大栄翔
3位:朝乃山・阿武咲

十両

1位:明生
2位:翠富士
3位:豊昇龍

昨日初日を出した阿武咲が、
千秋楽も勝って2日続けてランクインです!

2020年七月場所の優勝と三賞

幕内優勝
四股名 照ノ富士(てるのふじ)
番付 東前頭17枚目
成績 13勝2敗
優勝回数 2回目
所属 伊勢ヶ浜部屋
十両優勝
四股名 明生(めいせい)
番付 東十両筆頭
成績 10勝5敗
優勝回数
所属 立浪部屋
幕下優勝
四股名 千代の国(ちよのくに)
番付 西幕下12枚目
成績 7戦全勝
優勝回数 2回目
所属 九重部屋
三段目優勝
四股名 深井(ふかい)
番付 東三段目67枚目
成績 7戦全勝
優勝回数
所属 高砂部屋
序二段優勝
四股名 竹岡(たけおか)
番付 東序二段84枚目
成績 7戦全勝
優勝回数
所属 尾車部屋
序ノ口優勝
四股名 北青鵬(ほくせいほう)
番付 東序ノ口18枚目
成績 7戦全勝
優勝回数
所属 宮城野部屋
殊勲賞
四股名 御嶽海(みたけうみ)
番付 西関脇
成績 11勝4敗
受賞回数 6回目
所属 出羽海部屋
四股名 大栄翔(だいえいしょう)
番付 東小結
成績 11勝4敗
受賞回数 2回目
所属 追手風部屋
四股名 照ノ富士(てるのふじ)
番付 東前頭17枚目
成績 13勝2敗
受賞回数 2回目
所属 伊勢ヶ浜部屋
敢闘賞
四股名 正代(しょうだい)
番付 東関脇
成績 11勝4敗
受賞回数 5回目
所属 時津風部屋
技能賞
四股名 照ノ富士(てるのふじ)
番付 東前頭17枚目
成績 13勝2敗
受賞回数
所属 伊勢ヶ浜部屋

2020年七月場所千秋楽に生まれた記録

十両の大人数優勝決定戦の記録

2020年七月場所の千秋楽には、
6人での十両優勝決定戦が行われました。

出場者は水戸龍、千代ノ皇、旭大星、
明生、天空海、豊昇龍で、
明生が優勝しました。

成績は10勝5敗です。

6人での十両優勝決定戦は
1972(昭和47)年以来とのこと。

この時の優勝者は栃富士で、
成績は今回と同じく10勝5敗。

当時の出場者には
あの天龍源一郎さんもいます。

ちなみに2020年七月場所は
7人での優勝決定戦になる
可能性もありました。

‪7人の十両優勝決定戦は、
昭和33年夏場所以来
とのこと。‬

‪十両の最多人数の決定戦は、
2001(平成13)年名古屋場所の8人。‬

‪この時は武雄山(現山分親方)が
9勝6敗で優勝しています。

なお今回の優勝決定戦は、
6人中3人が立浪部屋の力士。

立浪部屋の3人が1回戦を勝ち進み、
決勝の巴戦で戦う形となりました。

十両での同部屋の優勝決定戦
2007年名古屋場所の旭天鵬-豪栄道-岩木山の
巴戦で、岩木山と豪栄道が戦って以来です。

巴戦の3人が全員同部屋力士というのは、
恐らく史上初でないかと思われます。

優勝と優勝の間隔の記録

照ノ富士の優勝は2015年夏場所以来、
30場所ぶりとなりました。

30場所ぶりというのは、
優勝と優勝の間隔として
琴錦に次ぐ史上2位の記録となります。

<優勝と優勝の間隔>
1位 琴錦 43
2位 照ノ富士 30
3位 三重ノ海 24
4位 琴櫻 22
5位 千代大海 21

※2020年七月場所現在

照ノ富士優勝に関する記録

元大関の平幕優勝は、
1976(昭和51)年秋場所の魁傑以来、
二度目
となります。

また幕尻での優勝は、
2020年初場所の徳勝龍以来です。

2020年七月場所千秋楽に出た珍しい決まり手

三段目の棚橋がちょん掛けで勝ちました。

2020年七月場所千秋楽に起った出来事

希善龍が引退

元十両の希善龍が引退しました。

希善龍と言えば、
相撲ファンなら知る人ぞ知る、
「肩越しの上手投げ」が得意な力士。

ふつう、肩ごしの上手では
伸びてしまって投げられないのですが、
希善龍だけは例外。

これを得意技としていました。

ファンにとっては、
希善龍が肩ごしの上手を取ったら
「勝った!」と思う瞬間でした。

ふつうだったら深すぎる上手なんですけどね。

荒磯親方(元稀勢の里)も
上手投げを特集した相撲の番組で
希善龍の上手投げが好きだと話していました。

ただ、この上手投げは下がりながら投げる
投げだったため、
非常に怪我の多い力士でした。

実力はある力士だったものの、
怪我が多くて十両では
勝ち越すことが出来ませんでした。

十両で7勝目までいって、
今度こそ勝ち越せると思ったのに
勝ち越しをかけた相撲で怪我をして休場、
という悲運もありました。

でも、史上最多の9回の十両返り咲き
果たした力士でもあります。

非常に個性的な力士でした。

もうあの上手投げが見れないと思うと
非常に寂しいです><

でも最後の相撲は、
その得意の肩ごしの上手投げでの
白星
でした^^

引退後は故郷の香川に帰り、
相撲の指導者になって
「個性的な力士を育てたい」
と話していたとのこと。

ぜひ希善龍のような力士を
育ててほしいです。

お疲れさまでした。

協会ご挨拶が5人だけ

そして2020年七月場所は、
千秋楽の協会ご挨拶に登場した力士が
たった5人だけでした!

ここ最近は横綱や大関が
高齢化したこともあり、
千秋楽には多くの横綱、大関が休場し、
協会ご挨拶に登場する力士が少ないことが
多かったのですが、
いつになく少ない協会ご挨拶でした。

今場所は鶴竜、貴景勝、白鵬が休場。

千秋楽の協会ご挨拶に参加したのは、
朝乃山、正代、御嶽海、大栄翔、隠岐の海の
5人でした。

深井が三段目優勝

深井が夢道鵬との優勝決定戦を制して
三段目優勝を果たしました。

決定戦の相撲自体は、
立合い一発で決まるあっさりしたものでした。

でも、深井も夢道鵬も
学生相撲出身のエリート力士。

立派な体格をしていて、
見るからに強そうな力士でした^^

明生が十両優勝

記録のところでも前述しましたが、
明生が6人での優勝決定戦を制して
十両優勝を果たしました。

十両の優勝決定戦に関する記録は、
記録のところで述べた通りです。

6人での決定戦は、
初めに3組に分かれて1回戦を行い、
次にその勝者3人が巴戦を行い、
2回続けて勝った力士が優勝というルール。

よって明生は千秋楽、
本割、決定戦1回戦、巴戦1回目、巴戦2回目の
計4回相撲を取っての優勝となります!

疲れそうですね><
お疲れさまでした^^

そして奇しくも、決勝の巴戦は
同じ立浪部屋の豊昇龍、天空海との巴戦に。

2戦目の天空海との相撲は
立合いの当たってからの引き一発でしたが、
豊昇龍との一回戦は「さすが明生!」と
感じる熱戦でした!

優勝決定後、
花道で明生と豊昇龍が笑顔で
抱擁を交わす場面も良かったです^^

負けても兄弟子の優勝を喜べる豊昇龍は、
きっと強くなると思います!

人の成功を喜べる人は成功すると
言いますからね。

ちなみにこの立浪部屋3人衆は、場所前から
「一緒に優勝決定戦出来るように頑張ろう」
と話していたみたいですね。

こと天空海と明生に関しては、
明生が天空海に「僕は変化しますよ」と
宣言までしていた
とか!

全て有言実行するとは、大したものです!

聞けば決定戦の1回戦に出場した力士の一人
(誰だったかは忘れました;;)は、

「立浪パワーが凄かった」

と話していたそうです。

立浪部屋の力士たちの今後が
非常に楽しみです!

照ノ富士が優勝

そして幕内最高優勝は、
照ノ富士が本割の相撲で決めました。

北の富士さんも尾車親方(元琴風)も、
御嶽海は照ノ富士にとって難しい相手
なのではないかという見立てだったのですが、
強かったです!

私も、もし照ノ富士が双差しになった
御嶽海を強引に極めだすようなことがあれば
また膝を怪我するのではないかと
気がかりだったのですが……

ちゃんと右四つの正攻法な相撲で
勝ってくれました^^

怪我無く勝ってくれてよかったです。

結果は照ノ富士の復活優勝!

記録のところでも前述しましたが、
大関から陥落した力士の平幕優勝は
1976(昭和51)年秋場所の魁傑以来です。

その後、魁傑は大関復帰を果たしましたが、
はたして照ノ富士の大関復帰は
叶うのでしょうか?

叶えてほしいですねぇ。。。

優勝インタビューや
勝ち越しインタビューでは度々

「親方を信じて、続けてきて良かった」

と口にした照ノ富士。

怪我や内臓疾患で大関から序二段まで陥落し、
一時は車椅子での療養生活も
していたと聞きました。

何度も辞めようと思ったとのこと。

それはそうですよね><

でもその度に師匠の伊勢ヶ濱親方に励まされ、

「辞める辞めないは体を治してから決めろ」

と言われたそうです。

大変な思いをしてきただけに、
言葉の一つ一つに苦労人の重みを感じました。

本当、辞めなくて良かったですね。

辞めるにしても、
絶望したまま辞めていたら、
第二の人生での目標もなかなか
見つけられなかったんじゃないかと思います。

聞いたところによると、
照ノ富士は今年の夏までに
幕内に戻るという目標を
明言していたみたいですね!

先の立浪部屋の3人といい、
目標を思い描いて努力してきた人は
強いなと思いました

復活優勝、本当におめでとうございます^^

2020年七月場所千秋楽 全体の感想

そんなわけで、
2020年の七月場所も早いもので、
千秋楽が終わってしまいました。

今場所は白鵬と朝乃山の一騎打ちの

優勝争いになるだろうと思っていたのに、

終わってみれば照ノ富士の復活優勝でした!

まさかの白鵬の休場、
まさかの照強の援護射撃、
まさかの阿武咲13連敗、
まさかの阿炎と田子ノ浦親方の不祥事と、
色々ありました。

でも終わってみれば、
とてもいい場所でした^^

立浪部屋、伊勢ヶ濱部屋の
兄弟子、弟弟子の絆も感じました。

あと、明確な目標を思い描いている人は
強いなと思いました。

きっと明生も照ノ富士も、

ただ数字目標を立てたのではなく、

それを実現している自分を

生き生きと想像して思い描きながら

頑張ったのだろうと思います。

まあ、想像ですけど。

でも、相撲は個人競技だけど、
一人で戦ってるんじゃないんだなと
改めて思います。

いいドラマを見せてもらったし、

学ばせてもらうことも多かった

七月場所でした。

今場所は新型コロナウィルスの
感染対策を徹底した上で、
観客を入れての本場所開催でした。

数を制限するとはいえ
観客を入れるということには賛否両論あり、
私も不安を覚えました。

でも(会食しちゃった人は出たけどw)
一人の感染者も出ることなく無事に終えられ、
良かったです^^

9月の秋場所も、
無事に何事もなく開催できますように。

力士の皆さんも相撲協会員の皆さんも
相撲ファンの皆さんも、
15日間お疲れ様でした。

以上、
ペパーミントあいがお届けいたしました。