宇良が決めたのは「居反り」じゃなかった?

宇良が決めたのは「居反り」じゃなかった?アイキャッチ 大相撲観戦日記

相撲と紅茶とゲームが大好きな
ペパーミントあいです。

2020(令和2)年大相撲十一月場所6日目。

宇良が決めた「居反り」が
相撲協会公式に載っている居反りの形と
違うという指摘がありました。

でも反り技は実例が非常に少ないため、
教科書通りに出なかった時の判別が
難しい
とのこと。

相撲ファンの間で「相撲生き字引」と
崇められている大達さんのツイッターを
読んでいただけると分かります。

この一連の大達さんのツイートは
相撲ファンなら一見の価値ありですよ。

協会公式の居反りとだいぶ違う

昨日、宇良が居反りを決めました!

宇良が居反りを決めて幸せな気持ちになった
宇良が居反りを決め、幸せな気持ちになりました^^両横綱、朝乃山、正代の休場にただでさえどんよりなのに、根性論を振りかざす北の富士さんにちょっとイライラしていたのですが、宇良の居反りを観たら幸せな気持ちになってイライラも吹き飛びました^0^ひたむきで一生懸命な宇良は相撲界の宝です。

でも、それからしばらく経って、
こんな投稿をお見掛けしました。

相撲協会公式HPの
スクショ写真が載っています。

昨日宇良が決めた居反りの映像はこちら↓

決まった時の形がだいぶ違います!

反り技は判別が難しい

このすもちゃんさんの投稿に対し、
こんな説明がありました。

この方は大達さんといって、
相撲ファンの間では
ちょっとした有名人です。

「生き字引のように相撲に詳しい方」
と一目置かれています。

NHK大相撲中継の間違いや、
勝負審判の間違ったジャッジに対して
即座に資料や協会約款を提示して
指摘されることもある、
凄い方なのです!

大達さんもおっしゃっていますが、
そもそも決まり手は
教科書通りの形で出ることは
まずありません。

必ず何かと何かの合わせ技として
出てきます。

故に決まり手係の親方は、
合わせ技の中でも
どの決まり手の要素が強いかを検証し、
最も要素の強い決まり手を選んでいます。

このことは長年決まり手係を務められた
大山親方(元大飛)が
おっしゃっていました。

これが反り技となると、
反り技自体が出ることが少ないため、
教科書通りに出なかった時の
判別が非常に難しいのです。

反り技の判定にケチをつけてくる人たち

反り技が出ると、
ツイッターには決まって

「えー!?今のが居反り?
伝え反りじゃないの??」

的なことを言って
ケチをつけてくる人がいます。

2017(平成29)年初場所13日目に
宇良が「たすき反り」を決めたときも
いました。

私、自分があまり技のこと
分からないためか、こういう人を見ると

「俺、決まり手係より決まり手に
詳しいんだぜ?」アピールを感じて
イラっときてしまうのですが、

まあそんなことはどうでもいいです(苦笑)

大達さんのツイートを読み、
亜流の反り技が出たときの判別が
難しいことが知ると、

ケチをつけてくる人が多い理由も
何となく納得です。

岩風が居反りを決めた当時の記事

ちなみに昨日、
智乃花が居反りを決めた当時の
復刻記事を上げてくれた日刊スポーツさんが

今日は智乃花の前に居反りを決めた
岩風の記事を復刻してくれました。

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

岩風が居反りを決めたのは
1964年(昭39年)5月11日、
大相撲夏場所2日目。

読んでみると、
全く見ない技だったから騒然として
決まり手の発表に物凄く
時間がかかったみたいですね。

当時は「反り技」というものが
今以上に馴染みがなかった
ことが
伝わります。

当時の人たちには反り技というより
「かつぎ技」
という印象が強かった
ようです。

ただ当時正式に制定されたばかりの
決まり手の中に「かつぎ技」がないため、
ルールに則って「居反り」と発表したら

「あれは『きぬかつぎ』だろ」
などとケチをつけてくる人が
多かったようで。。。

まったく人騒がせな岩風の決まり手だった。

と結ばれています。

凄い技を決めたのに
厄介者みたいに言われて、
可哀想に。。。

(昔の人なりのユーモアで、
本当に厄介者だと思っては
いないと思いますが……)

ただ岩風の記事を読んで、
反り技が出ると決まり手に
ケチをつけてくる人が出てくるのが
ある意味では相撲の伝統なのかも、
と思ってしまいました(苦笑)

「たすき反り」と伝え反りの違い

ちなみに2017年に宇良が「たすき反り」を
決めたときは、

「これは伝え反りじゃないのか?」

という疑問の声がかなりあったようです。

翌日にNHKさんが
たすき反りと伝え反りの違いの
特集をわざわざ組んだほどでした。

その時決まり手係を務めた
大山親方によると、

「頭が相手の脇をすりぬけているかどうか」

を基準に判別したと話していました。

すり抜けていると伝え反り、
すり抜けていないと「たすき反り」

なるそうです。

反り技の分類傾向

さらに大達さんは、
色々研究された結果、
現在の反り技の判定の傾向の
仮説を立てていらっしゃいました。

まず

「まっすぐ反るか斜めに反るか」

で分類し、そこからさらに

「切り返す動作があるか?」
「相手を持ち上げているか?」
「相手の脇をすり抜けているか?」

などの条件で分類しているようです。

うーん、
言われても難しくて全然分かんないけど、
奥が深い!

実際の映像見ながら
30回くらい説明してもらわないと、
私には多分分からない(笑)

……すみません、30回は盛り過ぎました。

実際の映像見ながら
3回くらい説明してもらえれば
多分分かると思います^^

聡ノ富士の「たすき反り」

そして大達さんは
続けてこんなツイートも。

この聡ノ富士という力士は、
現在は序二段の力士なのですが、
よく反り技を決める技能派力士です。

ちなみに伊勢ヶ濱部屋の力士です。

日馬富士が現役の頃は、
弓取式も務めていました。

私は相撲ファンでも
にわかなので三段目以下の取組は
あまり見ないのですが、

大達さんはAbemaで
BS-NHKが始まる前の相撲も
観ていらっしゃいます。

大達さんは聡ノ富士が反り技を
出したときの判定に対し、
居反りか「たすき反り」かの判定が
曖昧である
とおっしゃっています。

決まり手係がいい加減だから曖昧、
という意味でなく、
判別が難しいから曖昧になってしまう
みたいですね。

ただ引用されている
聡ノ富士の「たすき反り」は、
私には綺麗な「たすき」の形に
反っているように見えます。

大達さんのおっしゃる通り、

「綺麗なたすきの形になっているか」

で決めている印象もありますね。

決まり手係の気持ちを引き締める宇良

ちなみに宇良が居反りを決めた昨日、
偶然にも十両の解説は
以前決まり手係をされていた
甲山親方(元大碇)でした。

甲山親方は

「宇良が出てくると
決まり手係の気持ちが引き締まる」

と話していました。

反り技の判定が
これだけ難しいものであることが分かると、
それも納得です。

宇良はいつ反り技を出すか
分からないですからね。

例え反り技でなかったとしても、
「腰投げ」など、
普段見ない形の技を出す力士なので、
決まり手係の親方は
本当油断ならないですよね><

見ている方は面白いですけど。

最近は正攻法の力士になりつつある宇良

そうは言っても、
最近の宇良はトリッキーな相撲から
正攻法の押し相撲に変わっている
印象があります。

二度も大怪我をして
長期休場を余儀なくされたから、
怪我の少ない押し相撲
転換したのかなと想像します。

十両に戻る直前のここ数場所は、
力強い押し相撲で勝つ相撲が
多く見られました。

トリッキーな技能相撲でも
正攻法の押し相撲でも、
私は今日も宇良が元気に
相撲を取ってくれていれば
それで十分です^^

ひたむきで一生懸命な宇良の相撲は
いつ見ても元気が出ますよ。

とにかく怪我だけはもうしないで、
と、いつも思いながら応援しています!

貴重な情報に感謝

そんなわけで、
今日は「反り技」について
色々語ってみました。

大達さんのツイートが
大変勉強になりました!

反り技って本当に奥が深いんですね。

滅多に出ない技ゆえ、
情報は貴重です。

貴重な情報を提供してくれた
大達さんと日刊スポーツさんに
感謝したいと思います。

ペパーミントあいがお届けいたしました。